2003~2020年度の川崎医科大学衛生学の記録 ➡ その後はウェブ版「雲心月性」です。
遷ろう時に流されずに      4学年担当 大槻剛巳
  表紙です            掲載ページです
平成17年度,大学の教務サイドからの視点で,新カリキュラムがいよいよ4学年まで上がってきたということですが,現在,在籍している学生諸子にとっては入学年度からのカリキュラムですので当然と捕らえてくれているはずですね。4年生でも医の原則Ⅳがありますし,臨床実習Ⅳもあります。また,昨年度と較べるとブロック講義の編成に少し変更が出ています。ただし,基本的に臨床各科の授業をみっちり修学する学年であることは替わりありません。それよりも全国的にCBTが本格導入されることが話題だと思います。4月のオリエンテーションの時期から,CBTに対して漠然とした不安と焦燥を感じているのかなぁと思われる顔を見つけることも出来ました。本学では,既に結果的にはCBT対策という意味合いにもなる総合試験を2年度前より導入してきております。また,CBTの範囲がいくら3学年までで履修した教科の内容も含むと云っても,4学年で修学する消化器系以外の臨床各科の内容は,CBTの範囲全体の中でも大半を占める形になります。勿論,既に私たちサイドでもCBT対策に対する若干の支援については協議もしておりますが,基本的には4学年の各教科の履修を完全に行い,夏期休暇や冬期休暇の間に,これまでの学年の内容を復習するような体制を個々に自ら立案して実行してくれればよいのであろうと思います。正論ですし,勿論,学問に王道なし,正攻法で対峙するしかないでしょう。その際に,ある領域の学習をするのに講義末試験は講義担当者が出題するけれど,CBTは誰が出しているか分からないからどのように勉強したら良いのか判らないなどというのでは困ります。同じ病名の異なる病気を習っている訳ではありません。常に,教科書を携え,本学での講義を参照しながら病態自体の本質を修めること,その姿勢を貫くようにすることが肝要なのです。3年後のあなたは必修研修の中で患者様に対峙していて,患者様個々が有している健康の不都合を修復するに当たっては,60点で合格というのではなく,常に100点を目指さなければ了解が得られない世界です。そして,もう4学年,夢見る頃も甘えられる時代も過ぎて,厳しさの中で自らの将来像に向けた最大限の努力を惜しんではいられない時期に入ってしまっています。その自覚と厳しい自己評価を胸に,臨床病態と診察技法をしっかりマスターして,次年度にはクリニカルクラークシップの中で,今年度蓄積する知識と技能を,個々の将来の理想の医師像に近付け得るような実習を行える基礎造りのための学年と位置付けて,一所懸命,学習してください。
  4月の反日デモの頃に,偶々中国で国際職業性呼吸器疾患会議が行われましたので渡航しました。2年ほど前に北京の首都医科大学から私どもの教室にきてくださっていた呉先生がいろいろと案内もしてくださって国際会議は勿論,史跡見学も含めて楽しい時を過ごしました(万里の長城を背景に強い風に髪が乱れる写真参照)。教室のHPに様子を載せています。ご笑覧ください。
2005.6.27. 発行: 川崎医科大学学報:学生版より